「霞が関埋蔵金」をめぐる議論が白熱している。埋蔵金の多寡については,この記事では論じない。財政再建との関係で注意すべき点に触れたい。
 特別会計の改革で得られる財源には,2つの種類がある。特別会計に1兆円の積立金があるというのと,1兆円の歳出が無駄遣いされているというのとの間には,これらを改革することで財政収支の改善を図るときに大きな違いが生じる。前者は一般会計に1兆円を繰り入れると,その年は1兆円の収支改善になるが,後に続かない。後者は無駄遣いをやめれば,持続的に1兆円の歳出削減となる。つまり,収支改善効果が一時的か,それとも恒久的かの違いがある。持続的な財政赤字を解消するのに前者は効果が無く,これは資産債務圧縮の手段である。
 わが国は高い債務残高と持続的な財政赤字の双方が問題なので,債務圧縮と収支改善の両施策ともに意義があるが,適切に使い分けする必要がある。
 財政収支改善策に特別会計の積立金を取り崩す収入を当て込むことは,つじつまが合わない。「埋蔵金」発掘は債務圧縮策と整理して,それとは別にしっかりと財政収支改善に励むべきである。