1月17日の経済財政諮問会議で,新成長戦略が議題に取り上げられている。
 「1人当たりGDP 日本は18位に後退」で,GDPを為替レートで換算して国際比較するのはおかしい,と指摘したところだが,甘利経済産業相提出資料が,まさにそれをおこなっている。
 経済産業省は,おそらく新成長戦略で生産性向上の課題を担当するものと思われるが,生産性の国際比較の際には生産物を購買力平価で換算するのが現在の常識である。不適切なデータの扱いが不適切な政策に結びつかないように,軌道修正がされることを望む。

(別件)
 当日の諮問会議では,2011年度までの基礎的財政収支の試算が示されている。「国債発行は減額に,しかし...(2008年度予算)」で予告しているが,OECDの経済見通しでの計数とともに,近いうちに取り上げたい。

(参考)
甘利経済産業相提出資料(経済財政諮問会議,2008年1月17日)
http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2008/0117/item6.pdf

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