9日に東京で,G7(7か国財務大臣・中央銀行総裁会議)が開催された。わが国の福井俊彦総裁はおそらく最後の会議。中央銀行総裁の新顔は,2月にカナダ銀行総裁となったカーニー氏。オックスフォード大学で経済学博士を取得。
 経済学博士取得者が各界で活躍することで,多くの優秀な若者が経済学の大学院を志願するようになれば,経済学で生計を立てる者には非常にうれしいことである。中央銀行総裁は,その頂点にある職だろう。そこで,その他のG7構成国の総裁の学位をまとめてみる。
 イタリア中央銀行のドラギ総裁,ドイツ中央銀行のウェーバー総裁も経済学博士。英国銀行のキング総裁,米連邦準備理事会のバーナンキ議長は学位うんぬんではなく,超一級の経済学者。キング氏は英国では起こり得るケースで,博士号をもたずに大学での職についていた。
 例外は日本とフランスで,エリート養成のお国柄が現れている。フランス銀行のノワイエ氏はエナ(国立行政学院)出身。ちなみに欧州中央銀行のトリシェ総裁もエナ出身。わが国の福井俊彦総裁は東京大学法学部卒業。
 残念ながら,経済政策の現場において経済学の学識がわが国では重要視されていないが,経済学者の努力が足りないということだろう。反省しなければいけない。経済関係の国際会議では石を投げれば経済学博士に当たるような状況で,日本側の参加者が低学歴で大丈夫か,とわが国の経済学者はずっと言っているのだが,今のところ権益拡大をねらう業界エゴとしか受け取られていないようだ。

(余談)
7か国の現在の中央銀行総裁に最も多く経済学博士を授与しているのはMIT(バーナンキ氏,ドラギ氏)。