岩本康志のブログ

経済,財政の話題を折に触れて取り上げます。

2008年03月

Yahoo! ブログから引っ越しました。

「長期低迷・デフレと財政」

 榎本英高氏との共著論文「長期低迷・デフレと財政」が日本銀行ワーキングペーパーとなりました。これは,昨年11月に日本銀行調査統計局と東京大学金融教育研究センター共催のコンファレンス「90年代の長期低迷は我々に何をもたらしたか」で報告したものの改訂版です。
 下記URLから,コンファレンスでの他の報告論文とともにダウンロード可能です。
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/toudai_rsd02.htm


 拙稿の要旨は,以下の通りです。

「本稿は,長期低迷・デフレが財政にどのような影響を与えたのか,長期低迷・デフレ期にどのような財政運営がされるべきだったのか,の2つの問題意識にかかわる分析をおこなった。
 政府の支出・収入項目が経済環境にどのように反応するかを推定し,その結果をもとに長期低迷・デフレがかりになかったとした経済の経路を与えた場合には,政府債務残高(対名目GDP比)は現実値よりも26ポイント程度改善していたと推計された。
 つぎに,景気循環会計の手法を用いてGDPの循環変動を分解したところ,労働投入の歪み,生産性の変動,政府支出・投資支出等の変動のいずれもが影響を与えていることを見た。
 所得の変動を経済厚生の変動に変換すると,1997年から最近まで,2001年度を底にした,厚生水準の低迷があることがわかった。経済安定化の観点からは,この時期に拡張的な政策をとるのが適切である。小泉政権のもとで政府支出が縮小傾向に転じたのが,この底の時期にほぼ重なることは,非常に興味深い現象である。小泉政権期の歳出削減が適切であったかどうかを判断するには,政府支出の効用への直接的な影響に関する情報が必要である。本稿では,これについての確定的な知識がない現状を鑑み,特定化を進めて結論を導くのではなく,政府支出が直接的にもたらす効用の水準がどの程度であれば,財政支出の拡大が厚生への正の影響をもつかの試算をおこなった。」

九州大学コンファレンス

 3月1・2日と九州大学でおこなわれた公共経済・財政学コンファレンスで,「長期低迷・デフレと財政」を報告しました。これは,日本銀行の榎本英高氏との共著論文で,昨年11月に日本銀行調査統計局と東京大学金融教育研究センター共催のコンファレンス「90年代の長期低迷は我々に何をもたらしたか」で報告したものの改訂版です。近く日本銀行ワーキングペーパーとして刊行される予定です。
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