10月30日に発表された追加経済対策「生活対策」のなかの,地方公共団体支援策の一つである「地方自治体(一般会計)に長期・低利の資金を融通できる、地方共同の金融機構の創設について検討する」話は,相当に疑問である。
金融危機のあおりで地方債の発行見送りが生じたことから,何らかの対策を考えることは否定しない。しかし,現状が100年に1度の危機との見立てなら,それに対応する組織を新しく創設したとして,平時の90数年間はこの組織は何をするのだろうか。
金融危機とは別の理由で地方一般会計の資金調達を助けるのだとすれば,財政投融資からの融資も現におこなわれているし,10月に改組された公営企業等金融支援機構の業務を拡大する手段も考えられる。政策手段の選択として,新組織が必要な根拠が不明確だ。
また,地方財政の健全化のために地方債に市場規律を働かせることが重視される現状のもと,地方の資金調達を国が助けることについての賛否両論がある。
国の介入の是非を棚上げしたとしても,政策手段の選択のところで批判にあって行き詰まるような話だ。政府内で意見が割れているので,「検討する」と書かれたと思われる。が,そもそも検討するに値しない案がここに書き込まれていることが驚きだ。
(参考)
現下の経済情勢への緊急対応
http://www.kantei.go.jp/jp/keizai/
生活対策
http://www.kantei.go.jp/jp/keizai/images/taisaku.pdf
(関係する過去記事)
「ほぼ余計な追加的経済対策」
「埋蔵金探訪(4):公営企業金融公庫」
金融危機のあおりで地方債の発行見送りが生じたことから,何らかの対策を考えることは否定しない。しかし,現状が100年に1度の危機との見立てなら,それに対応する組織を新しく創設したとして,平時の90数年間はこの組織は何をするのだろうか。
金融危機とは別の理由で地方一般会計の資金調達を助けるのだとすれば,財政投融資からの融資も現におこなわれているし,10月に改組された公営企業等金融支援機構の業務を拡大する手段も考えられる。政策手段の選択として,新組織が必要な根拠が不明確だ。
また,地方財政の健全化のために地方債に市場規律を働かせることが重視される現状のもと,地方の資金調達を国が助けることについての賛否両論がある。
国の介入の是非を棚上げしたとしても,政策手段の選択のところで批判にあって行き詰まるような話だ。政府内で意見が割れているので,「検討する」と書かれたと思われる。が,そもそも検討するに値しない案がここに書き込まれていることが驚きだ。
(参考)
現下の経済情勢への緊急対応
http://www.kantei.go.jp/jp/keizai/
生活対策
http://www.kantei.go.jp/jp/keizai/images/taisaku.pdf
(関係する過去記事)
「ほぼ余計な追加的経済対策」
「埋蔵金探訪(4):公営企業金融公庫」