岩本康志のブログ

経済,財政の話題を折に触れて取り上げます。

身辺雑記

Yahoo! ブログから引っ越しました。

「第15回研究大会報告(特別セッション)」


 昨年9月に開催された医療経済学会第15回研究大会の特別セッション「保健医療費統計の課題」に登壇しましたが、その記録「第15回研究大会報告(特別セッション)」が『医療経済研究』誌(第32巻第2号、2021年3月、127-157頁)に掲載されました。
 この特別セッションでは、記録が同誌に掲載されることが後から決まったので、記録が残ることを意識しない話し方になってしまいました。そこで、報告時に準備した読み原稿を公開しました。冒頭の私の発言部分(144-148頁)は、こちらをお読みになる方が便利です。

 パワーポイントのスライドを使用して報告するときは、聴衆がスライドを見ていることを前提にして説明しますが、その発言を文字起こししたときには、文字だけを追っていくとわかりにくいことがあります。例えば、図解で説明した方がわかりやすいことは、図をスライドに示して「この図は、・・・・」という説明をしたりしますが、記録で図が別の位置にあると読みづらくなります。一般的に、スライドが主役、発言が端役になってしまいます。
 パワーポイントの普及で演者の話し方がだいぶ変わりましたが、昔ながらの記録の体裁はそれに追いついていないように感じます。そこで、文字起こしをして記録がされる場合には、発言だけを読んで理解できるような話し方をする(発言を主役にする)ように心がけます。つまり、パワーポイントがない時代の話し方に戻す、ということです。
 ただし、私の話し言葉はそのまま文章にならなくて、文字起こしの校正が大変なことになるので、読み原稿を準備して臨みます。話したことを文字起こしすると、そのままきれいな文章になる人がいますが、私にはできない芸当で、羨ましい限りです。

(関連する過去記事)
「医療経済学会・特別セッション『保健医療費統計の課題』」

Discuss Japan「What to Do with the Public Finances: Revising the Budget Compilation to an Ad Hoc Approach」

 19日に、Discuss Japanサイトに拙稿「What to Do with the Public Finances: Revising the Budget Compilation to an Ad Hoc Approach」が掲載されました(COVID-19特集と合わせて2か所に掲載されています)。8月13日に『日本経済新聞』経済教室欄に掲載された拙稿「予算編成見直し 臨機応変に」の英訳版です。
 Discuss Japanは、外務省が日本の政策論調を海外向けに発信するウェブ誌です。

(関係する過去記事)
「日本経済新聞・経済教室『予算編成見直し 臨機応変に』」
http://iwmtyss.blog.jp/archives/1077868778.html

医療経済学会・特別セッション「保健医療費統計の課題」

 9月5日に開催された医療経済学会第15回研究大会の特別セッション「保健医療費統計の課題」に登壇しました。司会が池上直己先生(聖路加国際大学客員教授)、シンポジストが私の他に小峰隆夫先生(大正大学教授)、満武巨裕先生(医療経済研究機構研究副部長)でした。
 医療費の統計でよく知られているのは「国民医療費」ですが、これは保険診療の対象となる医療費を推計したもので、(1)予防が重視されるなか予防医療・保健の費用を含まない、(2)日本独自の統計のため国際比較できない、という課題があります。私の報告では、保健医療費統計の国際基準であるSHA(A System of Health Accounts)と日本の国内統計の関係を、経済統計の最近の改革の動向と関係づけて説明しました。
 私の報告スライド(PDF file)をサイトに掲載しています。

『雇用と賃金を考える―労働市場とEBPM(証拠に基づく政策形成)― 令和元年度国際政策セミナー報告書』

 国立国会図書館出向中に関与した『雇用と賃金を考える―労働市場とEBPM(証拠に基づく政策形成)― 令和元年度国際政策セミナー報告書』が27日、発表されました。これは、2019年11月15日に行われたシンポジウム(国立国会図書館と東京大学大学院経済学研究科付属政策評価研究教育センターの共催)の記録です。
 私は開会挨拶、趣旨説明とパネルディスカッションのコーディネーターを務めています。
 シンポジウムの構成は、

基調講演「最低賃金引上げは格差と貧困を是正するか?」
 デイヴィッド・ニューマーク教授(カリフォルニア大学アーバイン校)
テーマに関する報告(1)「最低賃金は有効な貧困対策か?」
 川口大司教授(東京大学)
テーマに関する報告(2)「日本の貧困の現状と最低賃金について」
 大石亜希子教授(千葉大学)
パネルディスカッション

となっており、最低賃金を主軸に、雇用と賃金に関する現在の課題を議論しています。報告書にはその他に参考資料として、国立国会図書館が作成した「米国の諸地域(州、市等)における最低賃金引上げの状況」、「「勤労所得税額控除(EITC)」について」が収録されています。
 EBPMが副題となっているように、どのように科学的な知見が積み重ねられ、政策的な含意が形成されていくかにも焦点が当てられていますが、一般公開のシンポジウムとして、わかりやすく説明していただいています。

(参考)
 これと関係して、私がプロジェクトリーダーを務めたプロジェクトである『EBPM(証拠に基づく政策形成)の取組と課題 総合調査報告書』も3月に発表されています。

日本経済新聞・経済教室「予算編成見直し 臨機応変に」

 8月14日の日本経済新聞朝刊の経済教室欄に拙稿「予算編成見直し 臨機応変に」が掲載されました。2018年から国立国会図書館に出向していた期間は国会職員の身分であり、個人の意見による発言を控えていましたので、久しぶりの日本経済新聞への寄稿になります。
 拙稿は、「財政をどうするのか」シリーズの第2回になります。7月31日に「中長期の経済財政に関する試算」がまとめられたことを受けて、中長期視点から財政運営を考えるという趣旨の依頼でした。
 第1波の流行が深刻な時期には、感染症対策と感染症の影響への対応のため大幅な財政出動が必要とされましたが、この依頼を受けた時期は新規感染者も重症者も落ち着いてきて、感染症を抑え込んで経済も財政も通常に戻る見通しでの課題を論じることが想定されていたのですが、感染の再拡大によって問題設定が変わりました。将来を見通すことが不透明ななかで、どのように中長期の戦略を描くか、どのように来年度予算と今年度補正予算を編成していくか、を主題にしています。
 理論的支柱となる「リアルオプション」は物理的に不可逆的な意思決定(ある用途に投資した設備は他用途に転用できない)を想定していますが、予算を政治的に不可逆的な意思決定に見立てて、意思決定を遅らせることの価値を予算編成の議論に導入しています。行政の計画は時間をかけて準備した方がいいので、早めの準備と遅めの決定を組み合わせることは実は非常に難しい作業になります。予算編成の関係者には大きな苦労が生じますが、ウイズ・コロナ時代の避けて通れない課題です。
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