岩本康志のブログ

経済,財政の話題を折に触れて取り上げます。

身辺雑記

Yahoo! ブログから引っ越しました。

「『やってる感』の政策評価」

 拙稿「『やってる感』の政策評価」を公開しました。これは、10月8日・9日に東洋大学で開催された日本財政学会第79回大会での報告論文です。報告要旨報告スライドも同時に公開します。
 経済学の論理によって「やってる感」を政策評価の中に位置づけることを目指した論文ですが、挑戦的な課題であることから、まだ至らぬところが多く、すでに学会発表の場でも改善を要する指摘を受けました。近いうちに改訂しますが、とりあえず現段階の原稿を公開します。
 報告要旨(短縮版)は、以下の通りです。

 本稿は、メディア等で用いられているが学術的な分析に乏しい「やってる感」を行動厚生経済学の観点から理論化し、「やってる感」に基づいた政策の評価手法を提示する。「やってる感」を、有権者が費用対効果が高いと認識するために真の費用対効果が低い政策が実施されてしまう現象と定式化することで、非対称情報や限定合理性に影響される意思決定の厚生評価の手法を援用でき、こうした政策の実施を防ぐ手法も同時に検討することができる。

プロフィール画像のサイズ

 勤務先がカメラマンを呼んで教員のプロフィール写真を撮影することになり、私も撮ってもらった。原稿や講演で顔写真の提供を求められることがあるので、データをもらって自分で使用するプロフィール画像のデータを作成した。これまでは画像をいじっていると、画素数が少なくて粗くなったり、よくわからないまま変なことになったりするので、今回は少し調べて、考えてみた。
 もらったデータの画素数は、縦5,584ピクセル、横8,368ピクセル。縦横比は2:3。今回の作業には関係ないが、EXIF情報には350dpiとある。縦にあと16ピクセル、横にあと32ピクセルあると縦5,600ピクセル、横8,400ピクセルになり、実寸は縦16in(406mm)、横24in(610mm)で、ワイド六切(8in×12in、203mm×305mm)の4倍の大きさになる。
 証明写真で使われるサイズの履歴書、パスポート、免許証と、35mmフィルムを加えて、サイズ、縦横比をまとめると、表のようになる。

 

サイズ

縦横比

 

縦(mm

横(mm

35mmフィルム

36

24

3:2

履歴書

40

30

4:3

パスポート

45

35

9:7

免許証

30

24

5:4


 SNSのプロフィール画像の用途がある正方形から出発して、横をトリミングして各サイズに対応させることにした。まず、縦横比の縦の最小公倍数は180であるが、トリミングしやすいように横を偶数にするには、その倍の360とする必要がある。このとき、横は240から360の間の偶数になる。
レイアウト(顔の大きさ)は、パスポートの指定(顔の上4±2mm、顔の長さ34±2mm、顔の下7±2mm)を参考にする。元のデータをトリミングするには、縦2400ピクセルか、2520(360の7倍)ピクセルが適当なようであるが、顔が小さくなる後者を選ぶことにする。
 Windowsの標準ツールを使う手順は、少しややこしい。「ペイント」は、ピクセル数を指定してトリミングできない。「ペイント3D」は、元データのサイズを編集できない。そのため、「ペイント」で必要なトリミングより少し大きくて「ペイント3D」で編集できるサイズにトリミングする。その後、「ペイント3D」で2520×2520ピクセルにトリミングして、プロフィール用画像のデータを作成する。
 以下は、縦を360ピクセルか、2520ピクセルにそろえたときの各サイズのピクセル数である。今後、写真を提供した先でトリミングする場合には、こちらを参考にしてもらうことになる。

縦横比

 

縦(ピクセル)

横(ピクセル)

縦(ピクセル)

横(ピクセル)

3:2

35mmフィルム

360

240

2520

1680

4:3

履歴書

360

270

2520

1890

9:7

パスポート

360

280

2520

1960

5:4

免許証

360

288

2520

2016

1:1

SNS

360

360

2520

2520


 プロフィール写真は普通、縦長なのだが、横長サイズの依頼もあり得る。横長のサイズには縦2520ピクセルを基本として横の空白を増やすことで対応できるだろう。35mmフィルム(縦横比2:3)、SDTV(3:4)、HDTV(9:16)に映画のサイズが考えられるが、映画のサイズがフィルムとスクリーンで少し違っていてややこしいので、横長サイズは考えないことにした。
 いろいろ計算したが、そもそもの写真の問題(眼鏡に部屋の照明が反射している)はどうしようもない。

「高齢化社会における社会保障制度の持続可能性」

 拙稿「高齢化社会における社会保障制度の持続可能性」が、日本都市計画学会の機関誌『都市計画』第71巻第1号(2022年1月)に掲載されました。特集「都市計画における持続可能性の再定義」で表題の原稿を依頼されたのですが、どうしてこの特集で社会保障が取り上げられたのかは、よくわかりません。
 それはさておき、2011年の拙稿「社会保障財政の長期的課題」の議論を、現在のデータに更新し、最近までの改革の帰結を織り込み、あらためて論じています。

「第15回研究大会報告(特別セッション)」


 昨年9月に開催された医療経済学会第15回研究大会の特別セッション「保健医療費統計の課題」に登壇しましたが、その記録「第15回研究大会報告(特別セッション)」が『医療経済研究』誌(第32巻第2号、2021年3月、127-157頁)に掲載されました。
 この特別セッションでは、記録が同誌に掲載されることが後から決まったので、記録が残ることを意識しない話し方になってしまいました。そこで、報告時に準備した読み原稿を公開しました。冒頭の私の発言部分(144-148頁)は、こちらをお読みになる方が便利です。

 パワーポイントのスライドを使用して報告するときは、聴衆がスライドを見ていることを前提にして説明しますが、その発言を文字起こししたときには、文字だけを追っていくとわかりにくいことがあります。例えば、図解で説明した方がわかりやすいことは、図をスライドに示して「この図は、・・・・」という説明をしたりしますが、記録で図が別の位置にあると読みづらくなります。一般的に、スライドが主役、発言が端役になってしまいます。
 パワーポイントの普及で演者の話し方がだいぶ変わりましたが、昔ながらの記録の体裁はそれに追いついていないように感じます。そこで、文字起こしをして記録がされる場合には、発言だけを読んで理解できるような話し方をする(発言を主役にする)ように心がけます。つまり、パワーポイントがない時代の話し方に戻す、ということです。
 ただし、私の話し言葉はそのまま文章にならなくて、文字起こしの校正が大変なことになるので、読み原稿を準備して臨みます。話したことを文字起こしすると、そのままきれいな文章になる人がいますが、私にはできない芸当で、羨ましい限りです。

(関連する過去記事)
「医療経済学会・特別セッション『保健医療費統計の課題』」

Discuss Japan「What to Do with the Public Finances: Revising the Budget Compilation to an Ad Hoc Approach」

 19日に、Discuss Japanサイトに拙稿「What to Do with the Public Finances: Revising the Budget Compilation to an Ad Hoc Approach」が掲載されました(COVID-19特集と合わせて2か所に掲載されています)。8月13日に『日本経済新聞』経済教室欄に掲載された拙稿「予算編成見直し 臨機応変に」の英訳版です。
 Discuss Japanは、外務省が日本の政策論調を海外向けに発信するウェブ誌です。

(関係する過去記事)
「日本経済新聞・経済教室『予算編成見直し 臨機応変に』」
http://iwmtyss.blog.jp/archives/1077868778.html
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